全国一斉電話相談の報告

2015 年(平成 27 年)[秋] の全国一斉電話相談の集計結果の報告です。

シニアの悩み 110 番

2015 年 9 月 26 日(土)~ 27 日(日)に全国で開催されました。NHK のラジオで放送及び読売新聞に掲載されされましので、 関東では 2 日間で 171 件の悩み相談がありました。
(全国 7 協会で 474 件)
なお、東北SLA協会は昨年に引き続き今回も東日本大震災の影響のため参加できませんでした。


今回は「相続・遺言」の悩みと「家族・親族」の相談が多くあり、次に「高齢者の住居」の悩み相談がありました。「相続・遺言」の悩みは、常時上位に入っていて、今回も 1 位で、家族親族問題が 2 位でした。

今回の社会提言は、「~誰にでも起こりうる老人の貧困~」です。

貧困を止める方策が必要

最近「下流老人」「下流社会」という言葉を耳にすることが多くなりました。これは「老人の貧困」を指す言葉で、生活保護基準以下で暮らしている人のことを指しています。

電話相談に寄せられた事例をもとに、老人が貧困になってしまうケースを挙げてみます。

・バブル崩壊後、不況が長引くにつれ年収が減ったり、経営不振でリストラされたり、非正規雇用者となる人が増えました。これらの人々が退職した場合には充分な年金を手にできません。

・年金生活者の子供が問題となるケースも増えてきました。不況が20年近く続くなか、非正規労働者が正規労働者の4割近くになり、リストラに遭う人も多く、フリーター勤務も増え、自分の生活が精一杯。子供は親をみるどころか親を当てにして、援助してもらっている事例も目立ち、年金生活者の生活が脅かされています。

・最近は婚期が遅くなってきている傾向のなか、正規社員であっても長期の住宅ローン(30年~40年)を抱えている人が返済が終わらないうちに退職となり、子供の養育費も支払い続ける状況下にあって、貯蓄するところまではいきません。こういう人々が年金生活に入った場合、当然生活は苦しくなります。

・今は共稼ぎが普通になっていますが、70歳以上の人の現役時代は政府自体が「夫は企業戦士として外で働き、妻は家を守る。」いうパターンで年金を設定していました。それゆえ妻で厚生年金を受給している人はわずかで夫の年金とわずかな自分の老齢年金で暮らす人が大半です。夫亡きあと遺族年金(夫支給額の約4分の3)が頼りとなり非常に生活が苦しくなります。

・熟年離婚、病気、介護が起因となり貯蓄を崩さなければならない老人もいます。20年くらい前までは退職後の人生を「余生」と呼び、積極的に活動するというのではなく、孫の面倒を見たり、家の留守番をしたりして暮らしていました。仕送りもあり、時折子供たちからお小遣いをもらい、近くの温泉に出かけるのを楽しんでいました。そのうちに寿命となり75歳前後で人生を終えるのが一般的でしたが、平均寿命が80歳を超えるようになり、事情は変わりました。

・2.000年から開始された「介護保険制度」は高齢者にとって、大変有難い制度ですが、出費の面では大きな負担の1つになっているのも事実です。しかも保険料は年々上がっていますが、頼みの年金額は反対に減っています。

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