全国一斉電話相談の報告

2015 年(平成 27 年)[春] の全国一斉電話相談の集計結果の報告です。

シニアの悩み 110 番

2015 年 3 月 28 日(土)~ 29 日(日)に全国で開催されました。NHK のテレビ・ラジオで放送されましので、 関東では 2 日間で 155 件の悩み相談がありました。
(全国 7 協会で 560 件)
なお、東北SLA協会は昨年に引き続き今回も東日本大震災の影響のため参加できませんでした。


今回は「相続・遺言」の悩みと「家族・親族」の相談が多くあり、次に「健康・医療」の悩み相談がありました。「相続・遺言」の悩みは、常時上位に入っていて、今回も 1 位で、家族親族問題が 2 位でした。

今回の社会提言は、「男性介護者を支える社会的サポートが必至」

親や妻を介護している男性からの相談が少しづつ増えています。

すこし前までは男性の介護者は、自分が介護者であることを人にいえないまま一人で頑張っていました。いまや、介護者の3割が男性といわれる時代となって自らSOS発信をし始めました。ここにきて電話相談も男性介護者にとって一つの除法を得るツールとして利用されるようになったと推察します。

介護は男女を問わず大変なことですが、往々にして男性は一人で抱え込む傾向が強く、周りに相談したり、弱音を吐くことも稀にしかありません。これが虐待の要因の一つとなっています。 今年2月に札幌で起きた介護に疲れた夫が妻を絞殺した事件は記憶に新しいですが、今回の相談にも、92歳の母親の介護をしている弟が暴力をふるう。風呂を熱くして入れなくしたり、暖房器具を使えなくしたりしている。母親は弟に殺されるかもしれないという相談が離れて暮らす姉から寄せられました。

この相談の場合、たまに来る家族にはわからないことも多々あると推察できるので、相談者の訴えを鵜呑みにするわけにはいきませんが、残念なことに、「介護保険制度」を利用していませんでした。 もし活用していればヘルパーやマネージャーのサポートを受けて、自分一人で抱え込むことはなく、自分の思いも察してくれる人がいることで、状況はかなり変わったのではないかと思います。

「介護保険」は「国民健康保険」と同様「国民皆保健」であるにも関わらず周知の点で健康保険に大きく溝をあけられています。 「介護」は社会でケアし、「心」は家族でケアすることで介護する人も、される人も安心して自分らしい社会生活を営むことができると信じます。

介護は、長引けば長引くほど、病人の健康状態も悪化し、介護する側の負担も増え、疲労やストレスがたまるのは事実です。まして、男性は家事に慣れていませんのし、近隣とのつながりもなく孤立しているので、さらに大きな負担がストレスにつながります。

マスコミでも、制度をはじめ自治体等の取り組みを広く広報していただきたいと強く願います。政府もあらゆる媒体を使って「公報」をお願いしたいです。