全国一斉電話相談の報告

2014 年(平成 26 年)[秋] の全国一斉電話相談の集計結果の報告です。

シニアの悩み 110 番

2014 年 9 月 27 日(土)~ 28 日(日)に全国で開催されました。NHK のテレビ・ラジオで放送されましので、 関東では 2 日間で 146 件の悩み相談がありました。
(全国 7 協会で 574 件)
なお、東北SLA協会は昨年に引き続き今回も東日本大震災の影響のため参加できませんでした。


今回は「相続・遺言」の悩みと「家族・親族」の相談が多くあり、次に「健康・医療」の悩み相談がありました。「相続・遺言」の悩みは、常時上位に入っていて、今回も 1 位で、家族親族問題が 2 位でした。

今回の社会提言は、「男性介護者を支える社会的サポートが必至」です

~息子や夫の介護者が今や3割に達した~

夫が妻を、息子が親を介護する「男性介護」が思いのほか増えています。昔は「子の配偶者即ち義理の嫁が多かったのですが、最新2013年の調査では約13%に激変しています。

主な介護者を要介護者との続柄をみますと「同居」が64.1%で最も多く、次いで「事業者」が13.3%、「別居の家族」が9.8%となっています。

「同居」の主な介護者の続柄をみますと「配偶者」が25.7%で最も多く、次いで「子共」が20.9%、「子どもの配偶者」が15.2%になっています。また「同居」の主な介護者の性別をみますと、男男30.6%、女69.4%です。 年齢階層別にみますと、男女ともに「60~69歳」が24.7%、31.3%で多いです。(厚生労働省 平成22年 国民生活基礎調査より)

核家族化が進み、子供と接する機会が少なくなり、家族間の絆が希薄化してきたことで嫁や娘に介護を頼みにくくなっているようです。また単身者が増えたことで息子が介護を担うようになっています。 さらに結婚しても共稼ぎが増えているので、息子も介護人になるケースが急増しています。

殆ど家事等に関わってこなかった男性が突然に介護を突き付けられたとき、当初は困惑してしまいますが、自分がしなくてはならない立場になった時「自分が誰よりも完璧に介護できる。」と思い込み、困っても 弱音を吐かず、他人にも相談せず、頼らずに介護を重ねることが多く、その結果「孤立化」していく羽目になることが少なくありません。

頑張って完璧な介護をしようとすると、介護する方もされる側も心身ともに追いつめられていくことになります。

「仕事とどう両立するか」も問題となり、看護や介護で職を離れていく男性が大変多くなっています。その結果、親や配偶者の国民年金で暮らしている間はよいのですが、非介護人の死後再就職も出来ず暮らしにも困り、 生活保護を受けなければならない人も多くいます。

今は行政の制度を利用する時は「申請」制度になっていますので、折角活用できる「介護保険」「医療保険」という良い制度があっても生かされていないのが現状です。

「育児・介護休業法」で介護休業を認めていますが、利用している人は殆どないのが現状です。

「介護は専門職にまかせ、心のケアは家族がする」という「介護保険」の本来の目的に立ちかえって、長い介護生活のストレスを少しでも減らし、柔らかに接するように して頂きたいです。